外壁塗装 東京がプライスダウン
たしかにイタリアには民間の資金需要もありますし、その一方でインフレ懸念もあります。
こんな国の政府が財政赤字を出したら、どんなことになるでしょうか。
政府が財政赤字を出しているために、政府は資本市場にお金を借りにいくことになります。
一方、民間も設備投資をしたいから、お金を借りに資本市場にいきます。
こうなると、政府の信用度はもちろん民間よりも上ですから、一番いいお金を政府が先に取ってしまいます。
では、民間はどうなるでしょうか。
民間は政府が取ったお残りをお互い競争して取り合うということになりますから、もっと高い金利を払わせられることになります。
金利が高くなりますと、設備投資の意欲が落ちます。
設備投資の意欲が落ちると、ますます経済の成長率が落ち込んでしまいます。
大変困るわけで、こういうイタリアのような状況を経済学で「クラウディングアウト」と言います。
クラウディングアウトというのは、閉め出すという意味です。
政府が金利の高いときに財政赤字を出してしまうと、資本市場から民間を閉め出すことになるという意味です。
閉め出された民間は設備投資ができなくなって、経済成長率は落ちてしまうのです。
だからイタリアのような金利が高く、民間資金需要はあって、インフレ懸念もある国の政府が財政赤字を出すというのは、たしかに大変悪いことであります。
もしも今我々がローマかミラノにいるのなら、私も「そうだ、イタリアは、今とにかく財政赤字を減らすべきだ。
財政再建だ。
こんな財政赤字を出していたら、民間は全然資金調達ができなくなって、設備投資もできず、景気はもっと低迷してしまうじゃないか」と言っているでしょう。
今の日本はどうでしょうか。
何回もお話ししましたように民間の資金需要はほとんどありません。
むしろマイナスというくらい深刻な事態です。
人々はインフレを心配しているでしょうか。
インフレを心配している人は、おそらく一人もいないでしょう。
皆デフレを心配しています。
そんな国が、財政赤字を心配するほうがおかしいのです。
むしろ今は財政赤字を減らす時期ではなく、増やす時期であります。
財政赤字を増やすというと、皆さんもギクッとするかもしれませんが、ものの考えようです。
今マーケットが我々に問うているのは、今こそ日本が社会資本の整備をやる歴史的チャンスだということです。
もしもまだ日本に社会資本整備でやるべきことが残っているのであれば、今やってくださいというのが、マーケットの声なのです。
現在、一○年国債の利回りは、一・七パーセントです。
例えば一兆円、国が財政赤字を出すことにします。
一○年国債で一兆円の資金を調達して光ファイバーを敷いたとすると、一○年間で納税者にかかる利払い負担は一七○○億円になります。
もしも今やらずに、何年かして金利が上がったときにやったらどうなるでしょうか。
日本が本格的に高齢化社会を迎えれば、貯蓄率が下がってきます。
貯蓄率が下がると、お金が少なくなりますから、当然金利は上がります。
例えば六パーセントの金利に戻ったとしましょう。
そのときになって光ファイバーを敷かなくてはなりませんねと言って、一兆円の資金を調達して光ファイバーを敷いたとします。
そのときの納税者の利払い負担は、六○○○億円になります。
今やれば一七○○億円。
あとでやれば六○○○億円。
ということは、もしも光ファイバーを敷かなくてはいけないのなら、今やるべきなのです。
後回しにすべきではありません。
マーケットの声なのです。
財政赤字の話になりますと、将来の負担という議論になりますけれども、将来の負担は今やることによって増えるのではなくて減るのです。
今やれば一七○○億円ですむ。
あとでやれば六○○○億円になるかもしれない。
そうすると、四三○○億円分、今やったほうが将来の負担は減るのです。
民間の資金需要は全然ないのですから、イタリアのようにクラウディングアウトが起きるはずもない。
しかもその社会資本への投資が景気の下支えになれば、全体の景気にとってもプラスです。
マーケットの観点からはどう見ても、今は財政出動の最高のチャンスなのです。
納税者にとっての負担は一番少なくてすみ、景気には一番プラスで、しかもクラウディングアウトは起きない。
悪いことはなくて、いいことばかりあるのですから、「今やってください」「今やってくれと」というのが、この超低金利の債券市場からの叫びなのです。
財政政策や赤字国債の話をすると、「だって国債をこんなに出して、その始末はどうするのですか。
国債は結局国民の負債じゃないですか。
こんなに国民の負債ばかり増やしてどうするのですか」とよく言われます。
債に限った話ではないでしょう。
例えば、電力会社が出している電力債はどうでしょうか。
この電力債は生命保険会社やいろいろなところが買って、資産として持っています。
電力会社だってやっていけなくなったら、電気料金を上げていきます。
先日、私は大蔵省の人たちと議論する機会がありました。
私と若いアシスタント二人が呼ばれて行ったのですが、そうしたら向こうは十数人、審議官らが待ち構えているのです。
我々を今度こそ叩き潰してやると言わんばかりです。
そこで私は今のような話をして、ある程度向こうも理解を示してくれたように思いましたが、彼らは、こういうふうにも言ってきました。
国であるということは、我々は国民の声に応えなくてはいけない。
いろいろなことが言われているけど、今新聞で世論を見てみよ。
全部が財政再建だ。
だから我々は財政再建をやっているのです」と話をしてきたのです。
財政再建で景気がよくなると思っていれば、皆株を買っていなくてはおかしいのです。
国民という概念が急に飛び出してきまして、私もびっくりしました・国民と言われると、私は非国民となるのでしょうか。
外国人ですからしかたがないのですが、ちょっとカチンときまして、大蔵省に対してこういうふうに答えました。
ジャグジャと紙の上を埋めればできるものであって、基本的にただである。
国民、国民と言われるが、本当に国民が何を心配しているかは、国民がどこにお金を持っているかということで判断すべきじゃないですか。
もしも大蔵省が言っていることが正しくて日本経済が大丈夫だというのであれば、国民は皆株を買っているはずです。
株を買うどころか、皆債券を買っています。
直に買っていなくても、生命保険にお金を持っているということは、債券にいっていることになりますし、郵便貯金にお金を持っているということも債券にいっているわけで、銀行預金も今は全部債券です。
このように国民はみんな債券を買いながら、財政再建と口では言っているのです。
ということは、本心は皆財政再建ではなく、将来の景気のほうを心配して私は財政再建に反対しているわけではありません。
ただ財政再建と景気回復と今この二つの課題がある中で、そのどちらを今やるべきというのは、マーケットに聞かなくてはならないのです。
マーケットに聞いて、イタリアのように高い金利がマーケットについているときには、財政再建を優先すべきです。
マーケットに人類史上最低金利がついているような日本では、景気対策を最優先すべき今、お金はどこにいっているのか。
皆債券市場にいっているじゃないですか」。
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